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平川 萌*; 菊池 祐一郎*; 堺 公明*; 田中 正暁; 大島 宏之
Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 8 Pages, 2018/07
ナトリウム冷却高速炉において、ガス通過による予期しない炉心反応度の投入を防止するため、カバーガス空間にある自由液面からのガス巻き込み現象は重要な評価課題となっている。本研究では、回流水槽を利用した実験で観察された自由液面を移動する非定常渦のガス巻込み現象の解析を行い、実験結果と比較して解析手法の妥当性について検討するとともに、解析結果に対し、原子力機構で開発された評価ツール(StreamViewer)を適用して、自由液面からのガスコア長さの評価を実施した。
村松 壽晴; 須田 一則; 村上 諭*; 山口 彰
JNC TN9400 2000-109, 96 Pages, 2000/11
高速炉の実用化に向け、多様な作動流体を冷却材として用いた場合の検討に資するため、原子炉基本設計を左右する重要熱流動課題として、(1)自由液面揺動、(2)温度成層化、(3)サーマルストライピングおよび(4)自然対流の4項目を取上げ、作動流体としてNa、Pb-Bi合金、Co2ガスを用いた場合のそれぞれの現象の特性変化を数値解析的に検討・評価した。得られた結果は、以下の通りである。[自由液面揺動](1)Fr数を指標とした内部流動特性および自由液面特性につき、Naを作動流体とした場合とPb-Bi合金を作動流体とした場合で有意な違いは生じない。(2)液面近傍流速を指標としたガス巻込み限界につき、AQUA-VOFコードが実験結果と概ね一致する結果を与え、同コードがガス巻込み限界の1次評価に使用可能であることを確認した。[温度成層化](1)連行現象(上下層剪断渦)の発生位置は、NaあるいはPb-Bi合金を作動流体とした場合Ri数の減少とともに下流側に移動する。一方、CO2ガスの場合には、その発生位置はRi数の減少により上流側に移動する。(2)温度成層界面の解消速度は、流体物性としての熱伝導度に大きく依存した特性を示す。すなわち、CO2ガス中に温度成層界面が発生した場合には、より積極的な界面解消策を講じる必要があることを示唆している。[サーマルストライピング](1)CO2ガスを作動流体とした場合には、大きな粘性係数値と小さな熱伝導度との相乗効果によって、より下流側まで大振幅の温度揺らぎが到達する。(2)作動流体を変更した場合、温度揺らぎ振幅を評価するためにはReを一致させる必要が、温度揺らぎ周期を評価するためには流速値を一致させる必要がある。[自然対流](1)基本的に、浮力噴流挙動に準じる特性を示す。ただし、自然循環力の立ち上がりの特性は、流体の熱容量および熱伝導度の影響を大きく受ける。なお、CO2ガスの場合には、自然循環ヘッドが大きい場合のみ、液体金属の場合と同様な温度過渡特性を示す。(2)各作動流体を用いた場合のピーク温度到達時間は、Ra数一致条件の下で評価が可能である。
鶴 大悟*; 岡本 孝司*; 斑目 春樹*; 文沢 元雄
日本機械学会論文集,B, 63(615), p.82 - 89, 1997/11
本研究は高温ガス炉スタンドパイプ破断時空気侵入挙動を調べる一環として行ったものである。本研究では空気-ヘリウム置換流の実験を行い、その結果同一の体系で2種類の安定なフローパターンを見いだし、置換流量の予測を考察した。2種類の安定なフローパターンとは、流出ヘリウムが流入空気に引き寄せられないパターン及び流出ヘリウムが流入空気に引き寄せられるパターンである。上昇流と下降流の相互作用である巻き込みに着目し、巻き込み率の測定実験を行った。管路網モデルを用いて置換流量の関係式を導出した結果、実験で得られた巻き込み率のデータより置換流量の予測を可能とした。
渡邉 憲夫
JAERI-M 94-076, 97 Pages, 1994/06
本報告書では、PWRにおける原子炉停止時の崩壊熱除去機能喪失事象に関し、米国原子力規制委員会が発行した規制関連文書を収集・整理し、その内容を紹介する。また、米国の設置者事象報告書を基に、1990年下半期から1992年末までの間に発生した崩壊熱除去機能喪失事例とその可能性のあった事例を同定し、各事例について、事象の概要、原因、対策等をまとめると共に、事象の直接原因別及び根本原因別に事例を分類した結果について記述する。1980年以降、当該事象に関して15件の規制関連文書が発行されているが、その多くは、水抜き状態下での余熱除去系の運転手順、保守作業の手順や管理、水位計装に係わる問題を指摘していることが判明した。また、最近の事例を調べた結果、直接原因は、原子炉水位の下げすぎや一次冷却材の流出による空気巻き込みが主要因であり、根本原因は、手順書の不備や運転員/作業員の過誤等の人的要因によることが明らかとなった。
茶木 雅夫*; 大橋 弘忠*; 秋山 守*; 文沢 元雄
日本機械学会論文集,B, 60(569), p.113 - 118, 1994/01
多成分気体流れの流動、拡散特性を知るための基礎的研究として、周囲と密度の異なる層流気体自由噴流の速度場をLDVで測定し、また数値解析をSIMPLEST-ANL法で行った。その結果、噴流の重力による加速は噴流の中心で顕著で、周囲気体との境界付近では小さくなること、半径方向速度の測定より、噴流と周囲気体との境界付近で巻き込み速度が最大となることがわかった。
茶木 雅夫*; 文沢 元雄
可視化情報学会誌, 13(SUPPL.1), p.265 - 268, 1993/07
高温ガス炉の配管破断時に炉内に生じる多成分気体流れの流動特性を把握するため、その基礎的研究として、周囲と密度の異なる気体(主としてアルゴン)が鉛直下向きに噴出する場合の数値解析、LDV測定を行った。その結果、噴流の中心軸上流速が加速されること、噴流周りに発生する渦輪が下流方向に加速されること及び噴流濃度の半値半径が下流方向に最小値を有することが分かった。また、煙トレーサによる可視化観察より、噴流は重力による加速の影響で周囲の空気を巻き込み噴流の半径方向の幅(濃度の半値半径に相当)が小さくなることが明確になった。
渡邉 憲夫; 平野 雅司
Journal of Nuclear Science and Technology, 29(12), p.1212 - 1223, 1992/12
1976年から1990年の間に、米国のPWRで発生した原子炉停止時の崩壊熱除去(DHR)機能喪失事象197件に関して、事例の分析を行った。このうち、約3分の1(63件)は原子炉の水抜き状態下で発生しており、その多くは、原子炉水位の下げすぎ、一次冷却材の流出、ポンプ流量の増加等によるDHRポンプの空気巻き込みが原因となっている。DHR機能の喪失が長時間にわたり、一次冷却材の沸騰が起こった事象もある。また、本報では、水抜き状態時の12事例について、実際の事象から得られたデータに基づいて、一次冷却材の温度上昇率と沸騰が起こるまでの時間を評価した。4件の沸騰事例については、DHR機能が喪失している間に冷却材の沸騰が起こったことを確認した。また、原子炉停止後長期間たって(例えば、停止後30日)DHR機能が喪失した場合でも、1時間以内に冷却材沸騰が起こることを示した。
渡邉 憲夫; 平野 雅司; 及川 哲邦
JAERI-M 91-143, 173 Pages, 1991/09
本報告書では、原子炉停止時における崩壊熱除去機能の喪失に関する事例の分析結果を報告する。収集した事例は、PWRが206件(対称期間:1976年~1990年)、BWRが48件(同:1985年~1990年)である。事例収集にあたっては、米国の設置者事象報告(LER)やOECD/NEAの事象報告システム(IRS)等を参照した。米国PWRで発生した197件の事象を分析した結果、原子炉停止時に崩壊熱除去機能が喪失した事例の多くは、(1)余熱除去系(RHR)ポンプの吸込/隔離弁の閉止、(2)水抜き運転状態時のRHRポンプの空気巻き込み、(3)RHRポンプの駆動力喪失、のいずれかが直接的な原因となっている。また、その背後にある根本原因を分析すると、手順書の不備や運転員/作業員の誤操作等の人為的な要因が支配的となっている。一方、米国BWRで発生した48件の事象については、運転員/作業員の誤操作に起因する吸込/隔離弁の閉止によるものが最も多い。
松下 健太郎; 伊藤 啓*; 江連 俊樹; 田中 正暁
no journal, ,
ナトリウム冷却炉では、炉心反応度擾乱防止等の観点から、ガス巻き込み等により1次冷却系統内に入り込んだ気泡・溶存ガス挙動評価が重要である。そのため、原子力機構では、高速炉1次系統内の気泡・溶存ガス挙動解析コードSYRENAの開発を進めている。本研究では、タンク型炉を対象としたSYRENAのフローネットワークモデル構築を行った。さらにフローネットワークモデルの検証の一環として、ループ型炉とタンク型炉における系統内の気泡挙動特性の比較を目的とした解析を実施した。その結果、両者のガス挙動特性に関していくつかの相違点があることを明らかにした。